コロナ時代と生き方について

 

2020


2020年という年は、ワクワクするような年になるはずだった。

語呂がよく、新しい何かが始まりそうな年号だと思っていた。

ただ蓋をあけてみたら、いつの間にか大変なことになっていた。

僕は今、コロナウイルス (COVID-19) の世界の真っ只中にいる。

10年後、100年後から見ても、歴史的に記されているであろうこの2020年の世界に。

僕はこの世界がこれからどうなるのか知りたいし、100年後の人ではなくても、1年後、1ヶ月後の人にでさえ未来を聞いてみたい。

 

コロナウイルス (COVID-19) について


現状については、もうこの文章を読んでいるあなたに改めて説明する必要はないだろう。

コロナウイルスは感染から発症まで時間がかかるため、無意識の感染拡大が起こりやすく、致死率はインフルエンザに比べても格段に高い。

そのため、多くの重篤患者の対応を病院が迫られ、医療崩壊を招きやすい状態になっている。

コロナ以外の患者も受け入れが難しくなり、事態はさらに悪化しているのが現状だ。

これでは死者が増える一方なので、感染対策として、各国で都市封鎖が行われ、人々はソーシャル・ディスタンスを取りながらの生活を始めることになった。

そのことにより、実体経済が止まり、モノとカネは流通するが、ヒトは動けない状態になってしまった。


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ワクチンの開発は猛スピードで行われているが、完成と普及の時期は不明。

通常、ワクチンは臨床試験を含めても12〜18カ月かかるらしい。

また完成時期の保証なく、この40年でも、ワクチンができたウイルスは全体の4%という結果が出ている。

これについては、感染が収まってるウイルスは、ワクチン開発の資金を得られずに、開発が停滞してしまう運命にある結果から来ていると言える。

未だに中世で流行したペストなどもワクチンは開発されておらず、年間で約2000人の患者が出ていたりする。


あまり大きい期待ができる数値ではないのかもれないが、世界規模で巨額の資本を投じて開発されているため、光が見えることを祈っている。


抗ウイルス薬のアビガンや、レムデシビルなどの既存薬で、いくつか効果があると言われているものもあるが、まだ確証には至ってはいない。

また抗体チェックは各国で行われているが、実際に抗体さえ持っていれば、コロナウイルスの再感染を防げるかなどは不明な点が未だ多いようだ。


医学的な面でのコロナ対策は、一刻も早く救世薬・ワクチンが現れることを祈るばかりで、これからも目が離せない。

 

withコロナの生活


僕は去年の秋から東京で再び暮らしており、今回の2-3月のコロナショックのあたりも普通に都内で生活していた。

といっても、出産などのイベントもあり、ほとんど家で妻に付きっきりで仕事をしながらの生活だった。

なので、withコロナの生活になってからというものの、あまりライフスタイルは変わっていない。

週に一回都内中心部に出たり、たまに友人とサウナに行ったり、近所のジムに通ったりすること以外は。

途中、トイレットペーパーが店頭から消えるなど、困ったこともあったが、今はひととおり落ち着いている。

近所のスーパーでもマスク、消毒類以外は特に買えないということはない。

緊急事態宣言こそ出たが、海外のようにスーパーに入れないほど行列ができたり、全ての棚が言葉の通りすっからかんになった、というのはなかった。


日本では、3密 (密閉空間、密集場所、密接場面) の呼びかけが重視されているが、ソーシャルディスタンスに関しては、現状あまり徹底されていないようだ。スーパーなんか行っても、隣の人とは結構近い距離で買い物をしている。

( 不要に近づいたら、睨まれそうな雰囲気はある。)

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海外からは、日本は感染に対する認識が甘く、お花畑のようだといった感じのコメントは多いが、これは日本の政府が国民に行使できる権力が自粛要請までで、海外に比べると効力が弱い点が大きな原因だと思う。

国民性で言うと、常時でも手洗い、うがいの習慣はあり、マスク着用の文化もある。

どちらかと言えば、衛生面の認識は高いほうと言えるだろう。

ただ政府の強制力がない分、こうなっているので、日本人の良くも悪くも空気を読む文化が功を奏してくれることを祈っている。

一時期、和牛券や旅行券みたいなギャグ漫画のような政策が出そうになってて、それは日本の悪き忖度の文化かと誰しもが思っていたようだ。

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そんなこんなで、マスク2枚を待ちわびて、季節は春になり、たまにベランダに出たりしながら、穏やかに室内で暮らしている。

人には会えなくなったが、Zoomで2週間に1回くらいのペースで、オンライン男子会を行い、ニューヨーク、東京に住んでいる友人たちと、国境をまたいでゆるく議論している。

もっぱら最近はコロナが前提のトークに尽きるが、こういった時にこそ、これからを話し合える仲間は大事だと思う。

最近はYoutube鑑賞や、心理テストなどでも盛り上がっている。


家族としては、産まれ立ての子どもの顔を両親に見せるタイミングを逃してしまったことは悔やまれるけど、ひとまずはビデオチャットで乗り切っているのが現状だ。

 

2020-2021年を予想


とはいっても、世界規模のウイルスだから、終息は簡単ではなく、長期的に共生するwithコロナの時代に突入する可能性もある。

その期間が長ければ長いほど、それをベースに世界は再構築されるだろう。

個人的にも将来を考えて、いくつかプランを持つフェーズだと思う。


当たらなくても、ある程度近い未来を予測しながら行動することは、これから全ての人にとって必要になってくるだろう。



そんな中でざっと2020年と2021年を想像したらこんな感じになった。

前半はすでに起こった出来事。(一部重複あり)

 

2020年

  • 世界的なロックダウンで、国境が閉ざされる。

  • 人々は自由に外へ出れない日常を送る。

  • モノとカネは流通するが、ヒトは動けない状態が長く続く。

  • 実体経済の停止により、経済に大きな影響を与える。

  • ワクチンの開発が急速に進む。

  • ファッションとしてもフェイスシールドが流行る。各ブランドもそれぞれ販売を開始する。

  • アメリカと中国は事実上の冷戦に突入。

  • ワクチン以前に既存の抗ウイルス薬の効果が実証される。

  • 先進国の生産体制が、自国生産に変わる。

  • IT化が4年分くらい進む。


3-4月:

世界的なロックダウン。


5-6月:

一部の国では経済を優先し、非常事態宣言、ロックダウンを解除する。

人が多く集まるイベントなどは、まだ自粛が必要。


7-8月:

国内感染を抑える国が増えてくる。

一部の国では第二波が起こり、一時的に非常事態宣言、ロックダウンを繰り返す。


9-10月:

ワクチンは臨床試験のフェーズに入る。

一部の抗ウイルス薬の効果が実証される。


11-12月:

感染者数に基づきグリーンゾーン、レッドゾーンなどで国がブロック化される。

感染を抑えれたグリーンゾーンの国同士で国境、経済圏が解放されていく。

入国は検査、一定期間の自宅隔離を伴う。

 

2021年

  • ワクチンの実用化が行われ、徐々に通常の世界に戻っていく。

  • 国境はまだ制限があるが、国内での移動は通常に戻る。

  • IT化が4年分くらい進んだ、ニューノーマルな時代に突入。暮らし方や働き方は、以前とは少し違う便利な世の中。

  • 国境はまだ回復には時間がかかっているが、徐々に回復。

  • アメリカと中国は引き続き冷戦関係。ITの分断化は以前からあったが、製造も冷戦状態で分断が顕著化する。

1月: 抗ウイルス薬が普及する。

2-3月: 各先進国でワクチンの実用化が始まる。

4-5月: ワクチンの普及。接種の順は政府がコントロールする。

6月: ニューノーマルな生活が始まる。

あくまで予想なので外れるとは思いつつ、これを念頭に個人的なプランを作っている。

 

個人としての行動


この2020年と2021年をどう過ごすかは、どんな人にとっても重要だと思う。

方向性を見つけられなければ、時代に置いてきぼりになったり、最悪の場合、生活もままらなくなってしまうからだ。


今のGoogle広告のように、アルゴリズムが現状についていけずに、的外れな広告ばかりを打ってしまう状況は避けたい。

富裕層は人里離れた別荘でゆったりと過ごせばいいだろうけど、一般人はそうはいかないだろう。

今後、離職者が増え事実上の世界恐慌に陥ってしまう可能性が高い中で、まずは自分が生きること、家族や親戚が生きること、友人が生きることが大切だと思っている。

個人的には、アーティスト活動は続けていきたいが、それは二の次だと思っている。

今は家にいて、仕事して、稼いで、家族と困ってる身近な人を助けるための備えをする。

そんなことを最優先に心がけている。

制作や趣味は余った時間で良い。もちろんこのブログなども。

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アートや音楽などの文化について言えば、非常時においては一時的に淘汰される運命にあると思う。

もちろん、家にいて、音楽や映画や小説などを楽しむことは今は必要なことで、価値があることだが

それは、まだ心に余裕があるStay Homeにおいての話だ。


仮に、明日の生活がままらなくなってしまった人は、そうしたことを楽しむ心の余裕を失っていくだろう。

また、Stay Homeは、先進国のような恵まれた環境でしか機能しないことを忘れてはい。

途上国では、清潔な水を得るために毎日水を汲みに行かなければ生きていけない人たちが、およそ8億4,400万人いるという。

豊かな環境と心情の上で、そうした文化は受け入れられ、成り立っている。

そうした考えの上で、感染を抑えること自体が結果として文化を守ることに繋がるのだと、最近は強く思う。

 
 

2020のライフスタイル


2020年の個人的なライフスタイルを書き出してみた。

これまで通りの生活には簡単に戻れない分、ライフスタイルの調節が必要だと思ったからだ。

これに関しては状況に応じて変えていく必要があると思う。


生活

  • 可能な限り稼いで、貯蓄する

  • 預金をドル、円、フランなどで分散する

  • 身近で困っている人がいたら可能な範囲で手助けする

  • 補償が受けれるものはできるだけ受ける

  • 次にどんな場所に住むのか考える


仕事

  • 全てリモートで行う

  • 仕事を通じてスキルアップを行う

  • 特定の分野においてスペシャリストになる

  • オンライン上のチームを作る

  • 時々スタンディングデスクで作業する


習慣

  • 読書や映画などを家で楽しむ

  • 天気が良い日は散歩、ベランダで一息

  • 入浴 (リラックス効果あり)

  • 週に一度だけスーパーに行く

  • 規則正しい生活を送る

  • 8時間睡眠

制作

  • 過去を振り返る。ルーツを辿り、ディープなところに行く。

  • アセットの積み立て

  • Youtubeに過去の作品をアップする

  • 制作中の作品を完成させる

  • プロモーションを作り2021年に備える

  • 未来のイベント開催に向けた案を練る

企画

  • ニ週間に一度のZoom男子会

  • Podcastなどのトークラジオ

 

ポストコロナ時代


withコロナ時代は、悪いことを想像すれば切りがなく、暗い時代になってしまうのかもしれない。


アメリカと中国の冷戦関係は拍車がかかり、次の世界のリーダー国になるための政治抗争が生まれるだろう。

また、今回のコロナ感染の責任を巡って、各国の中国に対する反感が生まれる可能性は高い。

そうした最悪の事態として第三次世界大戦を挙げる知識人も多い。


ただ、ポジティブに考えれば、歴史的に大きな出来事が起こったあとは、時代が大きく変わる時でもある。

ペストが中世のキリスト教の権威とを農奴制を終わらせ、 時代を進化させた。

そして、ルネサンスという輝かしい時代がイタリアからやってきた。

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ポストコロナでは時代を進化させるのは、何だろう。

確実な点で言えば、5GやVRを含めたIT化が急速に進んでいくことだろう。


世界情勢や環境問題は国がどう動くかによって結果は異なるが、この状況下においてITの進化は不可避だ。

世界人口の半分36億人が自宅待機状態になっており、名の通り全世界引きこもり時代において、人類はいくつものお楽しみを奪われたからだ。

そのリアクションで、人々は新しいサービスが生まれてくることを期待している。

この先2年くらいはIT化の限界値を前倒しで更新していく世界になっていくと思う。

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リアルの場で失われた出会いやコミュニティを、オンライン上でどう作っていくか。

バーチャルリアリティ(仮想世界)をいかに作り出せるかは、課題の一つだと思っている。

バーチャルリアリティはもともとオンライン上にあるけど、メインストリームに欠けていた感がある。

小さいブームはいくつもあって、それが今はどうぶつの森のゲームだったりするのかもしれないが、今後皆が使うメインストリームをFacebookやApple、Googleなんかが作れば、面白いことになるんじゃないかと思う。

いずれコロナの事態が緩和するにしても、将来的に進歩していく分野なので、この期間にどういったものが出てくるかが楽しみだ。

リアルとバーチャルの比重がより揺らいでいくと、次世代感はあるかもしれない。

ドラえもんの世界は、バーチャルで実現するというのなら納得がいく。

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またリモートワークの普及により、意外とリモートだけでも行けると分かった企業は、これまでの様にコストのかかる広いオフィスを持たない可能性がある。そうすると、在宅勤務者がふえ、満員電車なども緩和するのではないか。

飲み会も、話だけがメインならZoomはコスパが最強だと分かった。

身体性はアップグレードが必要だけど、遠くの人とも気軽に飲める。

Zoom合コンも、トイレに行かずして、相手陣の評価をプライベートチャットで交わせる。知らんけど。

また各国の経済危機をきっかけに新しい資本主義の形が生まれるのかもしれない。

世界恐慌の背景から、ベーシックインカムを導入する国も出てきて、働くこと自体を問う時代がやってくるかもしれない。


そしてポストコロナは、誰しもが、住む場所を、割と真剣に考えるようになるはずだ。

都市に住むべきか、地方に住むべきか、はたまた自国に住むべきか、海外に移住するか。


国によってこんなにも対応が違うのかと、今回のことでよく分かった部分もある。

自分に適しているのはどの国か。

リモートワークやバーチャルリアリティが進化することで、高い家賃を払って都市に住む意味を問うだろう。

家にいる時間が長くなるなら、地方や都市近郊で広いベランダや庭のある部屋がいいな、など。


僕の場合は、今のマンションのリースが切れるのは1年半後。その頃に世界がどんな風になっているかで決めることになるだろう。


個人的には、日本なら鎌倉あたりでのんびり暮らすのもいいなと思っている。

海外ならドイツあたりが魅力的で、アーティストとして移住するもの一つの手だ。

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今は悪いニュースばかりで、流れてくるものを全て受け止めようとすると、気が滅入る。

長い自宅監禁生活ではストレスも溜まるだろう。夫婦やカップルでの喧嘩も増えるかもしれない。

中国では、ロックダウンが解除された後、離婚届が殺到したという話もある。

ただ、ずっとこの状況が続くわけではない。

時間はかかるだろうけど、人々の努力により、ウイルスはいつか収束するだろう。

そして、ことが一旦落ち着けば、人間の性、人々は今の危機も忘れてしまうのかもしれない。

それでも、ポストコロナ時代では見えない部分での景色は変わっているはずだ。

距離を超えて、国や人々が助け合う、調和した世界。

お金がメインだった資本主義が形を変え、新しい価値観が芽生えた世界。

全部、人間次第だけど、ポジティブに考えれば、人類が大きな試練を乗り越えて、生き方や価値観を変えれるチャンスだと言える。

僕は今、皆と同じ不安を抱えながらも、世の中がどう変わっていくのかを楽しみにしている。

その中で一個人としてやれることを、精一杯やっていこうと思う。

essayToru I.